こんにちは。文章を書くのが好きな一般人、うつがや(@utugaya)です。
皆さんは小さい頃、児童書は読んでいましたか?
黒魔女さんが通る!!シリーズや若おかみは小学生シリーズ、ぼくらの七日間戦争シリーズやIQ探偵ムーに至るまで。
我々男子小学生におきましてはかいけつゾロリやデルトラクエストから文学の道へ進んだ方も多いのではないかと思います。
そんな最近ですね、いい歳の大人になった僕ですが「児童書ブーム」が再熱しています。
きっかけは、Xにて流れてきた一つの告知からでした。
黒魔女さんが通る!!!なつかしーーー!!!
しかもなんと、あの頃小学五年生だったチョコが大学生!?!?
おっちょこちょいで、すっとこどっこいだったあのチョコが!?!?
この情報を聞きつけてからというもの、久しぶりに本棚に眠る児童書に触れてみたのですが相変わらず読みやすくて読やす易くて……。
ドーパミンに満ち溢れた現代人の僕からすると久しぶりに物語の世界へ没頭できる感覚があって、気がつけば取り憑かれたかのようにページを巡っています。
しかもですね、児童書を今更読むと「あの頃なんとなくでしか理解できなかったこと」が鮮明に、スルスルと体の中に入ってくるような感覚があるんですよ。
やっぱり大人になって時間が経った今こそ、児童書を読むべきかもしれない。
最近では本屋さんに行き現代の小学生が読んでいる児童書までフィールドを広げて読み進めていたところ、大人だからこそより刺さった作品があったんです。
それがひのひまり先生の「四つ子ぐらし」という作品でした。
ということで本記事では「四つ子ぐらしとはどんな作品なのか」「読んでどこが刺さったのか」そして「大人が今更児童書を読む意味」まで深掘りして解説していこうと思いますので最後までお付き合いいただけますと幸いです。
それでは、いってみましょー!
- 「見たことある設定」だけじゃない。児童書だからこその意味がちゃんとありました。
- あの頃に帰って読める作品だからこそ。ワクワクが止まらなくてこれだから児童書やめんねーぜ!!
- 大人が今更児童書を読む意味とは。大人な僕たちは子供たちの世界から段々遠ざかっている気がする。
あらすじ
私、宮美(みやび)三風(みふ)。
両親も親戚もいなくって、ひとりぼっちの小学校6年生……だと、12年間ずっと思っていたのに!
なんとある日、四つ子だったことがわかったの!!!!
顔も声もまったく同じ女の子、 一花ちゃん、二鳥ちゃん、四月ちゃん。
それぞれ別の場所で孤独に育った私たちは、これから四人、一つ屋根の下で暮らすことになった。
だけど、四つ子だけの生活は、大混乱!
その上、育ってきた環境の違いが思わぬすれ違いを生んで…?
みんな同じで、みんな違う! キュートな姉妹生活、始まります!【第6回角川つばさ文庫小説賞特別賞受賞】
角川つばさ文庫公式サイトより
書籍情報
| 著者 | ひのひまり |
| 定価 | 定価 760 円+税 |
| ページ数 | 224ページ |
| 初版年月日 | 2018年10月15日 |
| ISBN | 978-4-04-631840-4 |
| 公式サイト | https://tsubasabunko.jp/product/yotsugo/ |
おすすめポイント

「見たことある設定」だけじゃない。児童書だからこその意味がちゃんとありました。
まず初めに、この記事を読んでいる方大体は四つ子ぐらしを初めて知った方だと思います。
……ぶっちゃけ、あの有名なマンガ作品に似てるタイトルですよね?
僕も初めて見た時、五つ子の彼女らが恋愛群像劇を繰り広げる某作品を初めに頭に思い浮かべました。
ですが本作、しっかりと四つ子であること、そしてこの作品が児童書であることに意味があるんです。
ストーリーの始まりは四つ子の三女「三風」が自分の住んでいる養護施設の大人から「自立支援政策に参加しないか?」と伝えられるところから始まります。
両親に会ったことのない三風は気を重く感じながらも了承し、見知らぬ一軒家にて子供達だけの新生活を始めるのですが自分を含め全員の容姿が瓜二つで……。
まさかの四つ子だった!?!?
本作は「境遇の違う子供たちだけの自立生活」と「今まで出逢って来なかった姉妹が家族を形成するまで」の2本がテーマになっているのですが、想像していたのと全然違う!!!!
あの五つ子を思い浮かべると想像の真逆を行くくらいにはしっかりとテーマに則っていて、なんだかこっちの方が読んでいて安心感があります。
しかも、バラバラな境遇で育った姉妹には違いもたくさん。
例えば長女の一花はしっかりした年長者ですが次女の二鳥は我が道を行くムードメーカーなキャラクターをしています。
ただの四つ子ではなく性格も境遇も、全てが違うからこそ違いを理解しようとする四つ子の団活力に、非常に児童書ならではの雰囲気を感じました。
あの頃児童書を読んでいて感じた「分かり合える」という前向きな姿勢がたくさん詰まった本作。
社会に揉まれ色が霞んだ大人だけでなく、今の子たちにも絶対に読んでほしいほどに四つ子は前向きで、読んでいてワクワクします。
ありきたりな設定だけじゃない児童書らしさに惹かれた作品でした!!
あの頃に帰って読める作品だからこそ。ワクワクが止まらなくてこれだから児童書やめんねーぜ!!
皆さんは「自分が子供だった頃」って思い出せますか?
あの頃感じていたこと、あの頃1番悩んだこと。
そんな気持ちを四つ子ぐらしは思い出させてくれます。
例えば、お父さんやお母さんへの向き合い方。
甘えたくて甘えたくてどうしようもないけど、なんとなく恥ずかしくて甘えられない苦しさ。
雰囲気の違う友達と接する時だって、「うまく話せるかな」とウジウジ悩んだあの頃の手触り。
それら全てを四つ子ぐらしは思い出させてくれます。
安直でまっすぐな子供だからこそ、感じることも考えることも大人とは少し違うわけで。
本作の主人公・三風はそんな「子供特有の分からない」に対して柔和に、実直に考えを示してくれます。
この描写がものすごく良くて、自分が子供だった頃も三風みたいなことでよく悩んだな~と思い出させてくれます。
今考えれば悩みに入らないほどに小さな世界での出来事でしたが、それでも、あの世界は確かに存在し、そこで悩んだ自分がいました。
三風を見ているとそんな事を思い出して、子供たちに対する視線が少しだけ変わるような気がするんです。
自分たちが忘れていたあの毎日を過ごすワクワクを、四つ子たちが代弁してくれる。
そんな雰囲気がストーリーから溢れ出して、僕は読み進めていくたび「ずっとこの世界にいたいな」と改めて感じることができました。
本当にひのひまり先生の描く世界は僕らがいた子供の世界そのままで、読み返すたびに感動すら覚えてしまいます。
今では忘れてしまった小さな世界の一喜一憂だからこそ、大人である僕たちは思い出すために児童書を読む意味があるのではないでしょうか?
いつでも帰って来れるあの場所を緑色の本の中に閉じ込めていられるなんて、本当にとても素敵な読書体験です!!
大人が今更児童書を読む意味とは。大人な僕たちは子供たちの世界から段々遠ざかっている気がする。
最後に。少しだけネタバレを含むのですが僕が四つ子ぐらしを読んで1番刺さった話をさせてください。
舞台は四つ子ぐらし4巻。
この巻では四姉妹の次女二鳥の過去が明らかになるのですが、二鳥は他の姉妹と違い、里親に育てられた子供でした。
二鳥を引き取った両親は大切に育て、そして二鳥が小学校高学年の時に血の繋がった息子が産まれます。
他の親の子の二鳥と、実の息子。
天秤に揺れる家庭はあるきっかけで崩壊し、二鳥は里親から半ば捨てられるような形で四つ子との生活を始めます。
そんな二鳥と里親が偶然にも鉢合わせてしまうところから4巻は始まるのですが、押し問答があった末、二鳥が最後に言います。
「ウチは許すことが良いことでも、許さんことが悪いこととは思わへん。ウチが許さんことを許せたのは、ただの気まぐれや」
四つ子ぐらし4巻より
捨てられたことを「許さないけれど、許さないことを許す」と表現する一言に僕は衝撃を受けました。
大人な言い訳を連ねる里親の前でそんな事を言える二鳥のまっすぐな姿勢と、自分の中にある出来事を仕舞い込める強さ。
そして何よりも、子供特有の小さな世界において大きな出来事に白黒つけないという選択ができる二鳥に驚かされました。
大人な僕たちだったらきっと悪は成敗されるべきで、自身を苦しめた存在をどうにかして貶めてやろう、理解させてやろうともがいてしまう気がします。
けれど二鳥はそうしなかった。
きっとこの一文は子供たちが読んでもあまり本質的な意味は理解できないと思います。
けれど大人になった僕たちがこの一文を読んだ時、二鳥の背負う大きさや無理に抑え込まない強さが手に取るように伝わってきて、思わず読みながら泣いていました。
善悪や損得勘定で常々世界を計りがちな大人という生き物ですが、子供たちの真っ直ぐな視線はこんな風に残酷であり、そう言えば煌めいていたなと感じます。
純粋無垢に物事を捉える事は成長の過程でどんどん人の苦手分野へと突入していきます。
けれど本当に必要なのは2つの世界をどちらも理解して、物事を見極めることではないでしょうか?
境遇も、性格も違う四つ子と共に子供たちが生きている小さな世界を改めて思い出させてくれる「四つ子ぐらし」。
やっぱり大人こそ児童書を読むべき理由がたくさん詰まった名作でした!!
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他の「おすすめ児童書」作品
- 黒魔女さんが通る!! / 石崎洋司

言わずと知れた不朽の名作にして全文学小学生が通ったと言っても過言ではない、「黒魔女さんが通る!!」です!!
なんと言っても僕の児童書ブーム再熱は新刊の発表告知から始まりました。
調べてみると、黒魔女さんが通る!!は今全41巻。外伝まで含めると悠に50冊は超える作品があります。
ちょっとだけドジな普通の小学5年生、千代子と魔界からやってきたギュービッドが織りなす魔法コメディは今読んでも熱中できて、後今更ですが関係性が推せる!
実は小学5年生のシリーズと小学6年生のシリーズがあり、2026年の7月には遂に大学生編がスタート!!
今から読んでも遅くない、読み返す価値のあるチョコワールドを久々に味わって見ませんか?
- ふたごチャレンジ / 七都にい

近年刊行された児童書の中でも個人的に「大人こそ読んでほしい!」と思ったのが七都にぃ先生の名作、ふたごチャレンジです!
かっこよくなりたい双子の姉「あかね」と可愛くなりたい双子の弟「かえで」は自分らしくあるため、周りを変えようとチャレンジしていきます。
今や小学生の間でも珍しくなくなった「自然体であるため」の価値観。
行手を阻むのは現代にそぐわ無い考え方を持つ大人だったり、理解を拒む同級生だったり。
1番大人に読んでほしいと思ったのは、そんな状況において「あなたならどう判断する?」と突き立てられるようなストーリーにあります。
今までの価値観を守りたいという大人の意見も分かるからこそ、双子のチャレンジを心の底から応援できない自分もいる。
そんな読書体験に、まさしく「子どもの目線だけではどうにもならない」という責任のある大人だからこそのカタルシスを感じます。
多様性が進む現代だからこそ、子供たちの世界の変化に気づく大人であるために。
大人だからこそ読んでほしい、双子のチャレンジストーリーです!!
まとめ
ということでいかがだったでしょうか?
今回はひのひまり先生の「四つ子ぐらし」と、やっぱり大人こそ児童書を読んだ方がいい理由について解説しました。
人間関係のギクシャクや大小関わらずやってくる責任の重圧など、社会を背負う一員として大人が感じるものの難しさを感じる日々です。
けれどそんな日々に一冊、あの頃の世界を描いた物語をそばに置いておくことで、きっといつかの支えになると僕は読み始めて感じました。
「子供が読むものだから」とくくるのは簡単ですが、子供が読むものだからこそ、手軽に帰って来れるあの場所として児童書はいつでもあなたに寄り添ってくれます。
何度読み返しても児童書はやっぱり最高!!!
気に入って頂けたら是非手に取って頂けると嬉しいです。
最後まで読んで下さりありがとうございました!




