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やっぱり北の方に行けば行くほど自販機の「あったか~い」率は上がるの?リターンズ【北陸編】

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こんにちは。文章を書くのが好きな一般人、うつがや(@utugaya)だ。

皆さんはこれまでの人生を振り返って、「常に側にあったけどずっと気づかなかった『あったか〜い』存在」の事を考えたことがあるだろうか。

受験勉強の時夜食を作ってくれたお母さん? 財布を落としたとき交番に届けてくれた見知らぬ人? 雨の日、買った商品に袋を被せてくれた店員さん?

どれもあったか〜い存在だが、どちらかと言えば「温かい」と表現する方が正しいだろう。

では、本当の「あったか〜い存在」とは何なのか。

答えは簡単、自動販売機の「あったか〜い」飲み物である。

以前僕とちょっとだけノリが底辺YouTuberな友人はそんな「あったか〜い飲み物」の実態を調査すべく、埼玉県から北海道まで「やっぱり北の方に行けば行くほど自販機の『あったか〜い』率は上がるんじゃね!?」と仮説を立て検証旅行へ出発した。

結果は以前投稿した記事を読んでほしいのだが、クリスマスの奇跡と見間違うほどに「あったか〜い」はやっぱり僕達を見守ってくれていたのだった。

あの旅行をふと思い出し自販機の「あったか〜い」飲み物をいつも以上に凝視していた12月のある日、ちょっとだけノリが底辺YouTuberな友人が再びこんなことを言い出した。

「やっぱり、北陸に行けば行くほど自販機の『あったか~い』率は上がるんじゃね!?」

……もう正直勘弁してほしかった。

前回の検証記事で自販機についてはお腹いっぱいだったのに、ちょっとだけノリが底辺YouTuberな友人の目はまるで「この企画なら絶対バズる!」と言わんばかりに輝きを放っている。

なんでお前は、毎回寒い季節になると同じことを言い出すんだよ。

もう2週間後にクリスマスを控えているというのに、2人揃ってまったく予定のない僕たちは何故かこのことについて激しく討論し始めた。

僕「前回その検証は結論が出たじゃないか。それに、『北の方』とは言っていたけどどっちかって言うと北陸は名前に北が入っているだけであって北じゃないだろ」

友人「いや、北陸地方の名は政治の中枢が畿内にあった頃の行政区画である北陸道に由来するもので、つまるところ京都から考えた方角で北だ。ということは、あながち北海道よりも北陸の方を『北』と指すのは間違い無いだろ」

僕「なんでお前北陸の由来に詳しいんだよ」

友人「……それに思うんだよ。北陸が僕達を呼んでいるような気がして。あったか〜い様はきっと、神々が沢山いらっしゃる北陸に、住処を構えているんじゃないかって」

友人はどこか神妙な表情で、後ろにあった自販機をじっと見つめていた。

こんな友人の顔を見るのは長年の付き合いがある僕でも初めてで、何だか本当にあったか〜い様から北陸に呼ばれているような、そんな気がふつふつと湧いてくる。

僕「じゃあ自販機を写真に収めて比べるために、北陸へ行ってみるか」

何故再び、「あったか〜い」飲み物を探す旅に出なくてはならないのか。

それを考えるには友人の表情はいつにも増して真剣で、2人で北陸へ行けば何かが見つかるんじゃないかという高揚感だけが僕らを突き動かしていた。

そんなこんなで旅すがら津々浦々で撮った自販機の写真と共に各自販機の「あったか〜い」率を本数で計測し、赤裸々に記録していく変な旅は再び幕を開けたのであった。

今回は三重県から福井県へと足を伸ばす総距離173kmのこれまた途方もない旅である。

また、今回も本気で北陸地方の自販機における闇を暴くためとある表を用意した。

北陸地方の「あったか〜い」率を示すための割合表。

前回の記事でも太陽と雪の結晶で主張がうるさかった表だが、今回はアメリカのアニメに出てきそうな蟹が満面の笑みでこっちを見つめている。

本記事は、北陸への道中「あったか〜い」を求めた男達の涙と汗と、たまに「ショート動画でおもしろくないコントをやっている奴」への嫉妬に塗れた実体験レポートである。

どうぞ、自販機で買ったあったか~い飲み物の温度くらい温かく見守っていただければ幸いだ。

1stあったか~い:津

津駅の駅名看板の前でピースする成人男性の画像

2022年12月20日。

再びクリスマス直前に男2人で旅行へ行くことには少しばかりの寂しさを感じるがそんな事は置いといて、2025年の冬は珍しく海の近くで中々雪の降らない三重県でも寒波大暴れで大雪が降り続くような嵐の冬だった。

新幹線も止まりかけるような大荒れの天気の中でも友人は快く僕の実家が近い津駅集合を承諾してくれた。これも友人が無職で日々の雑務は動画編集よりも軽いからだろう。

2人とも東海地方の寒さを甘く見積もっていた為、脆弱な防寒着のせいで待ち合わせる間に体の芯から冷え切ってしまった。

これは早急に、自販機であったか~い飲み物を買わなければならない。

そんな三重県津市の自販機は、果たしてどれくらいの「あったか~い」率をたたき出しているのか。結果は……

津駅の自販機ラインナップを撮影した画像

お……これは……?

僅かに中段右端にはちみつゆずが健闘を果たしているものの、結果は3分の1あったか~い程度。

前回の記事で言うところの函館山と同じくらいの結果に抑えている。

函館山山頂と三重県津市の「あったか〜い」率を比較した画像。

これではまるで函館山と三重県の気温が同じくらいに見えてしまうが、本来は三重県が普通なだけであって函館山がやはり異常なのだ。

友「カップルでアツアツだからあったか~い様の力は不要ってか~?」

なんだその喋り方は。女子大学生の1人語りフリップ動画みたいなコメントは、今浴びると鳥肌モノの寒さである。

ただ余談なのだが、正直今回の検証旅行で一番寒かったのがこの津駅だった。

海岸線から吹き荒れる海風と駅前のビル風が合わさって、とにかく体温が奪われていくような底冷えする寒さを感じるのだ。

そのおかげで恋人抜き女友達抜き底辺YouTuberアリの函館山にいるような、そんな気さえしてくる。

……これはもしかすると、やはりあったか〜い様は僕たちを北陸へ呼んでいるのかもしれない。

兎にも角にも色々な意味でじっとしていられない気持ちを背負って、僕たちは一旦津駅の自販機を基準にこの先も進んでいくことにした。

北陸地方の「あったか〜い」率を示すための割合表。

2ndあったか~い:亀山

亀山駅の駅名看板の前でピースする成人男性の画像。

津駅を出て40分あまり、田舎路線を揺られた先にあるのがギリギリ秘境駅に認定されてもおかしくない、亀山駅だ。

流石山の中とだけあって冬の最低気温は0度を下回っており、津駅に負けず劣らず肌を刺すような風が吹き荒れている。

というか、この先の駅で都会だった駅などひとつもないのだが、流石三重県。伊勢神宮と鈴鹿サーキットに支えられた厳かな爆音シティである。

亀山駅の駅舎には、冷たいベンチと自販機のみが鎮座している。

唯一の救いだったのが、待合室とは名ばかりの擦りガラスで囲われたスペースがホームの途中に設置されていたことだ。

友人「こんなクソ寒いのにあったか~い様がいらっしゃらないのは不敬では?」

僕「それで言ったら北海道もだろ」

友人「北海道は……でっかいどうだから……」

意味のわからない寒い親父ギャグを聞いたって、体は寒空の中もう既に限界まで冷え切っている。

ド田舎亀山の自販機には、あったか~い様はいらっしゃるのか。

果たして、結果は!!

亀山駅の自販機ラインナップを撮影した画像。

うおおおおおおお!!! これは割といる!

前回の記事を参照してみると、「あったか~い」率はまさかの秋田駅と同率の50%あったか~いである。

やっぱり北陸へ進むほど増えていくあったか〜い飲料に、どんどんとあったか〜い様の住処へ近づいている気がしてくる。

友人「これはあったか〜い様の住処……『ぬくもりの聖地』へたどり着く日も近いかもしれない」

うるさい友人はおいといて、注目してほしいのが自販機の二段目だ。

亀山駅の自販機ラインナップ2段目中央を切り抜いた画像。ドデカミンストロングと棒ほうじ茶が良い塩梅に戦っている。

「あったか〜い」と「つめた〜い」が拮抗する2段目の中心はドデカミンストロングと加賀棒ほうじ茶の防衛戦が繰り広げられており、後ろには極カフェオレが鉄壁の守りを構えている。

ドデカミンストロングの攻めVS極カフェオレの守りというほこ×たてもビックリな激戦に、これは当分どちらも進軍できそうにない布陣に見えた。

流石は「あったか〜い」と言ったところだろう。

どう考えても「ドデカミンストロング」という強そうな名前の飲み物相手に対抗し、極カフェオレで守りを固めるこの陣形は、三国志なら諸葛亮レベルの名采配である。

だがしかし、困難は一度過ぎ去るとすぐに気兼ねなくもう一度押し寄せてくるものだ。

この駅には、電車が一時間に一本しか来ねぇ。

亀山駅の時刻表を写した画像。

時刻表的には一応朝の6時と夕方の16時には2本来ることになっているのだが、今は残念ながら昼の11時である。

このクソ寒い中、頼れる物は暖房が効いていない名ばかりのガラス張り待合室と自販機のあったか~い飲み物のみしかない現状に、僕は段々体が震え始めていた。

友人「この寒さに耐えられないの厳しいって。危機感持てって。人が外に出ていい寒さじゃないって」

なんだお前。今度はメンズコーチなのか?

こいつは、この状況を男磨きか何かと勘違いしているのだろうか。コールドシャワーを浴びたいのなら勝手に1人で浴びておいてほしい。

僕は寒さにぶち切れながらホットレモンを購入するため仕方なく、自販機に限界まで冷え切った小銭を入れていくのであった。

北陸地方の「あったか〜い」率を示すための割合表。

3rdあったか~い:近江塩津

近江塩津駅の駅名看板の前でピースする成人男性の画像。

いや、どこやねん!

分かっている。大丈夫だ。だって僕らも「いや、どこ?」って思っているから。

近江塩津は琵琶湖の先端の方、滋賀県長浜市にあるJR西日本の駅である。

北陸側に近づいているだけあって三重県では感じないじっとりした寒さが襲って来て、先程買ったあったか~い様の加護を受けたお茶が数分で温くなりやがる。

しかも最悪なのが、このホームである。

年期を感じさせるヒビだらけのコンクリート打ちっぱなしホームに屋根だけ。形だけの待合室もベンチもなく、亀山駅よりも酷い環境の中僕たちは次なる電車を待つこととなった。

偶然雪が止んでおり雲の間から青空が覗いていることだけが救いだが、それ以外は実質サバイバルである。

……お? この駅舎の経年劣化具合は期待できるのでは?

友人「てか駅舎がボロくなっていくとあったか~い率が上がっていく検証もついでにしない?」

余計な口はメントスとコーラでも押し込んで黙らせるとして、早速近江塩津の自販機写真である。

結果は……

近江塩津駅の自販機ラインナップを撮影した画像。

おおおおおおおおおおおおおおおおお!これはまさに拮抗!

先程まで居た亀山駅と同じ50%が「あったか~い」の自販機である。

僕「結構凄くね?」

友人「ここも激戦地か……言うなれば、自販機聖戦……

一体こいつには近江塩津駅に置かれている自販機が何に見えているのだろうか。

僕「東北よりも北陸の方があったか~い率が高くない?」

気を取り直して再び友人に話しかけてみた。

すると今度は更に思慮深い顔をして、「あったか~い様はやはり僕らと一緒に北陸へ向かっているんじゃ……」と独り言の様につぶやいていた。

ちょっと注目して欲しいのが、この並び順である。

本来ならば自販機の下から一列目、二列目の真ん中へと並べられるはずのあったか~い飲料が、自販機の真ん中できっぱりと棲み分けられている。

自販機のラインナップを解説した画像。

これは確かに右から左へあったか~い様が僕らを歓迎するように、一緒に行動しているようにも見えて来てしまうのは、あまりにも寒すぎて意識が朦朧として来たからだろうか。

僕「だんだん眠くなって来たな……」

何かを考え続けている友人の表情が忘れられない中、重いまぶたを擦りながら次の駅へと向かった。

北陸地方の「あったか〜い」率を示すための割合表。

4thあったか~い:敦賀

敦賀駅の駅名看板の前でピースする成人男性の画像。

あったか~い様に引き寄せられての北陸旅行も目的の地へ終盤。足先はとっくに北陸に浸かっている。

そんな中で紹介する敦賀駅は2024年3月16日に北陸新幹線が延伸しアクセスの良い駅になったがこの時はまだ開通前で、駅舎だけがそれ相応に立派で暖かかった。

北陸新幹線沿線までのカウントダウンが表示されている看板の前で笑う成人男性の画像。

近くにあったか~い様の気配を感じながらの旅行は、まるで僕たちが北陸へ向かうことを予見されていたかのような気がして、とても「あったか〜い」気持ちになってくる。

決してさっきの駅で凍傷になりかけたからエアコンの偉大さに感動しているわけでも、未だ手足が氷の様に冷たくて意識がハッキリとしていないわけでもない。

今や「あったか~い教の狂信者」と馬鹿にしていた友人の気持ちが、この旅を通してほんの少しだけ分かってきたような気がした。

僕「あったか~い様なしでは、僕たちはもう生きられないのかもしれないな」

友人「寒さで手がかじかむ度僕らはあったか~い様の恩恵を、忘れてしまっていた御姿を思い出すことでしょう。これも全ては陰謀……アッタカ〜イルミナティ!!」

とうとう都市伝説系の動画にも手を出し始めたようなテンションである。

それでは、敦賀の自販機写真を見てみよう。

敦賀駅の自販機ラインナップを撮影した画像。

………………………………もう感無量で言葉が出ない。

ついに、ついに僕らは成し遂げたのだ。

我らがあったか~い様は宿敵「つめた~い」を打ちくずし、自販機の3分の2を自軍のスペースへモノにしたのであった。

こんなに嬉しいことがあっただろうか。正直半分泣いている。

あれだけ探した東北の地。追い求めた先にあったのは、感動とは名ばかりの挫折であった。

寒かった北海道。洗礼とは名ばかりに、つめた〜い飲み物ばかりの自販機。

でも、今回は違う。僕らにはあったか~い様がいて、今も見守ってくれている。

そんな事を思っていると、隣からすすり泣きの声が聞こえてきた。

友人「俺、この旅行来れて良かった!!」

この時ばかりは、彼の大げさな動画向きリアクションのような気持ちが痛いほどに染みて分かった。

僕が全然連絡を返さないがばかりに、具体的な目的地を決めたのはこの旅行の前日の夜。

そこから彼は新幹線と近鉄を乗り継ぎ、嫌な顔一つせずはるばる津駅までやってきてくれたのだ。

あれだけ天候不良で止まりかけていた新幹線が動いていたのも、どれもこれも、全てはあったか~い様が自分の住処である「ぬくもりの聖地」がある北陸へ、僕たちの事を呼んでくれたからだろう。

この先何があっても、きっと僕は友人とやっていける気がする。

この時ばかりは、僕は強くそう思った。

信仰は時として力になるのだと、もう既にぬるいを通り越して冷たいペットボトルを両手で握りしめながら後にした敦賀駅だった。

北陸地方の「あったか〜い」率を示すための割合表。

5thあったか~い:三方

三方駅の駅名看板の前でピースする成人男性の画像。

そして僕らは旅の終点地、三方へと向かう。

なんかわかんないけどでけぇ湖が有名」と「海が近くて冬場は宿代が安かった」しか情報のない地に、胸を躍らせながら僕らは向かうのだ。

きっとこの旅行は最高のものになる。

例えるとしたら友人の投稿した動画が良い意味でネットニュースに取り上げられたときのような「まだまだ伸びるぞ!」という高揚感が、2人の間でどこか漂っていた。

胸の中に秘めたる想いを抱えながら電車を乗ること一時間。途中敦賀で昼休憩や買い出しを挟んだせいでもう既に辺りは真っ暗になってしまった。

「次は~三方。三方(みかた)です。」

普段は聞かない少しお年を召した女性のアナウンスが鳴り響く。

友人「……いや、さんぽうじゃないんかい」

動画のオチとしても弱いくらいの小声の突っ込みは車両の音にかき消されていった。

きっと、この先にぬくもりの聖地はあって、あったか~い様は満面の笑みで僕たちの事を待っている。

僕らの前に完全体となった姿、「熱すぎて滅!」を現してくれるに違いない。

ここまで苦楽をともにした2人で、最高のゴールにたどり着くんだ。

あの温かさを、優しさを、全身で感じるために!

三方駅の自販機ラインナップを撮影した画像。

う~ん……何とも言えない……。

これは後日明るいときに撮った写真なのだが、あったか~い率はまさかのこの旅最下位から2番目の46.7%あったか〜い。

明らかに東北よりも高い結果が続いてはいたが、なんだか拍子抜けな結果にがっくしと肩を落とす僕へ彼は言った。

友人「……通り過ぎてしまったのかもしれない。あと2駅前だったなら、もしかしたらぬくもりの聖地はあったのかもしれない」

大切なときにタイミングを外してしまう僕らの間の悪さが、今回は祟ったようだ。

流石に三方は遠すぎる。「三方五湖」とかいうでかい湖が5つもあるせいでホテルまでタクシーで片道4000円もかかったし、下調べもせず向かったせいで観光の目玉には若者には扱うのが難しすぎる年縞という美しい地層の記念館しかない。

僕「くっそ……」

握りこぶしを強く握りしめる僕に、友人は再びじっくりと自販機を見つめると何かを見つけたかのように指を刺し始めた。

友人「ちょっと待てよ! この自販機『梅よろし』があるぞ!!!」

隅の方で陰ながら僕たちの事を待っていたダイドードリンコ「梅よろし」を撮影した画像。

僕「……梅よろしだ!!!」

そう、梅よろしとはダイドードリンコが販売する梅果汁に濃縮した梅エキスを組み合わせた梅好きにはたまらないドリンクなのだが、ネット掲示板やSNSでは度々「どこの自販機にも売っていない謎商品」としてネタにされるほど自販機レア度が高いジュースだった。

半分自販機オタクと化していた僕ら2人はあまりの興奮から「あったか~い」そっちのけで梅よろしを購入し、何も言わぬまま飲み始めた。

友人「……なんだか、こういう出会いがあるのも旅って感じがするよな」

後味の良い酸味が漂う友人の表情には、今までの苦悩と、それを楽しんできた証拠の柔らかな笑顔が浮かんでいた。

思えば、北海道に行った時もこいつはずっと真剣だった。

函館駅で1本でもあったか~い飲料が売っている自販機を探し始めた時も、近江塩津駅で凍傷になりかけるような風の中自販機の写真を撮りに行った時も、全部大真面目に自販機へ向き合っていた。

この旅を通して僕は改めて思う。

それは、「何よりも愛が勝つ」と言うことだ。

これを見てほしい。三方の旅館近くで撮影した看板の写真である。

「ありがたい・もったいない・おかげさま」と書かれた看板を写した写真。

津駅で30分以上彷徨って手に入れた伊勢茶の温かさや、亀山駅の役に立たないほどに密封性が薄い待合室で電車を待ったあの瞬間。

今までの旅の光景。それら全てが脳裏に映る。

あったか~い様に一喜一憂したあの瞬間も全てがありがたく、今では失われるのがなんだかもったいなく感じてしまう。

2人がいたからここまで来れた、紛うことなき「あったか~い」への愛が勝った「おかげさま」な検証旅行だ。

僕「いい言葉だな……」

看板の言葉を返すように青空の下、梅よろしの空きペットボトルを持って僕らは再び歩き始めた。

友人「ぬくもりの聖地を探す旅は、まだまだ終わらない。そう考えれば、あったか〜い様はまた2人で旅をするチャンスをくれたんだ

僕「そうかもしれないな」

行き着く先にあったのは「つめた〜い」伝説のジュースだったけれど、友人の言う通りまた旅をする機会を貰ったと考えたら、心がほんのり「あったか〜く」なったような気がした。

やっぱり、常に側にあったけどずっと気づかなかった「あったか〜い」存在はいつも僕らを見守ってくれている。

この地のどこにいても、自販機の「あったか〜い」は僕たちが必要にする瞬間を陰ながら静かに待ってくれているのだ。

次は友人と、どんな場所に旅行へ出かけようか。

友人「……YouTubeのチャンネル名、この看板の言葉に変えようかな」

お前本当に底辺YouTuberやってたんかい。

結論・東北より北陸の方が自販機のあったか~い率は高くなる。

北陸地方の「あったか〜い」率ランキングが記載された画像。1位は福井県敦賀市の60%でした。

この記事を書いた人
うつがや

東京都出身2004年生まれA型大学生ブロガー。
文章を書くことが好きで2022年よりブログ「駄文の連なり」を運営中。
最近はずっと真夜中でいいのに。に激ハマりしている。

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