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Book review

ラノベ作家志望は暗いニュースなんか見ないで「妹さえいればいい。」を読んでくれ

Book review

こんにちは。文章を書くのが好きな一般人、うつがや(@utugaya)です。

僕がラノベ作家を志してからもうすぐ一年経とうとしています。

ラノベ作家志望にとって流行のネタと界隈の空気感を読むのはとても大事なこと。ですが、中々良いニュースばかりではないのがライトノベル界隈です。

「稼げない」「専業は無理」「ラノベ作家は趣味」と暗い話題ばかりが渦巻くラノベ界隈に夢を失いつつある人も多いことでしょう。実際、僕もその一人でした。

ですがあるラノベに出会って、もう一度希望を取り戻すことができたのです。それが、平坂読先生の代表作「妹さえいればいい。」シリーズです。

端的に言うと妹キャラ狂いのラノベ作家主人公とその周りで起こるドタバタ劇を描いた日常ものなのですが、創作に対しての熱い想いが主人公から伝わって来て、気がついた時には再び筆を握っていました!

と言うことで今回は「妹さえいればいい。」のどこが良かったのか書いていきたいと思います!

おすすめポイント
  • ラノベらしい無気力で頑固な主人公は誰にでも刺さる
  • 何より熱く語られる創作論は読んでいて物語を作りたくなった
  • これは“ライトノベル作家”の皮を被った青春小説だ

妹さえいればいい。について

あらすじ

「アマゾンレビューは貴様の日記帳ではない!」
 荒ぶる小説家・羽島伊月は、未だ見ぬ究極の妹を創造すべく日夜奮闘する現代のピグマリオンである。彼の周りには、作家やイラストレーターや編集者や税理士など個性的な人々が集まっている。愛も才能もヘビー級、残念系美少女のハイエンド・可児那由多。恋に悩み友情に悩み夢に悩む青春三冠王・白川京。闘志を秘めたイケメン王子、不破春斗。人生ナメてる系天才イラストレーター・ぷりけつ。頼れるけど頼りたくない鬼畜税金セーバー・大野アシュリー。闇を抱えた編集者・土岐健次郎――。
それぞれ迷いや悩みを抱えながらも、ゲームをやったり旅行に行ったりTRPGをやったり、たまには仕事をしたりと、賑やかで楽しい日常を繰り広げる伊月たち。そんな彼らを温かく見守る完璧超人の弟・千尋には、ある重大な秘密があって――。

小学館ガガガ文庫

書籍情報

著者平坂読(@hirasakayomi)
定価574円+税
ページ数264ページ
初版年月日2015年3月23日
ISBN978-4-09-451507-7

おすすめポイント

おすすめポイント

この段落では僕が読んで「これは是非おすすめしたい!」と思った点について詳しく紹介していきます。

ラノベらしい無気力で頑固な主人公は誰にでも刺さる

まず何といっても、読んでいてずっと感じる「主人公の主人公らしさ」です

ニッチな”妹萌え”というジャンルにおいて第一線として活躍する主人公はもちろん妹萌え狂いの妹教です。
頑として妹萌え以外の作品を書かない頑固さに、ジャンプ作品にありがちな”燃え上がる熱さ”を感じます。

ただ、それだけではないのがこの作品をライトノベルとして上げているもの。

何といっても、日常生活に対する”無気力さ”です。

ただ妹萌えのために生き、恋愛や生活は基本的に無気力で脱力的。
この塩梅こそ「ラノベの主人公たる所以」であり、この要素は実のところ多くの人が持ち合わせているのではないでしょうか?

みんなどこかで何かしらには本気なのに、それ以外には手の回らない不器用者。

そんな要素を持ち合わせている「羽島伊月」だからこそ、「創作」への共感を大勢の人に呼ぶのです。

何より熱く語られる創作論は読んでいて物語を作りたくなった

そんな主人公から語られる創作論は、きっと誰しもが筆を取りたくなると思います。

様々な「ライトノベルらしい要素の話」が登場する中、どれも上から捻じ曲がりつつ返す主人公の言葉は実直に筆を取っている”作家志望”だからこそ刺さる点も多く、他の読者には分からない共感を感じさせて来ます。

ただモノを作る。そんな一言では語りきれない、創作の苦しみや実生活との擦り合わせなど、様々な障害をぶち壊しながら進む羽島の背中を追いかけたい、読んでいて凄くそう感じます。

端々から感じる”作家”としてのリアリティに心を揺さぶられ、再び筆を取る元気を貰えるのです。

主人公の言葉から元気を分けてもらえる。これこそまさに、最高のライトノベルじゃないですか?

これは”ライトノベル作家”の皮を被った青春小説だ

そして何より語りたいのは、本書は”ライトノベル作家”の皮を被った青春小説である、という点です。

本書には個性豊かな登場人物が出て来ます。
若年天才ラノベ作家に理論的ラノベ作家、それに将来未定な大学生まで。

それらの人々がもがき、苦しみ、時に溺れながらも「ナニかを作っていく」。
それはラノベであり感動であり愛であり将来であり、自分自身である。

主人公同様に捻じ曲げられて伝わってくる”登場人物の成長”こそまさに「青春」と呼ぶべきものなのではないでしょうか?

大人だから?関係ない。天才だから?関係ない。誰もが何かを作ることに一生懸命で、それぞれが最高に良いモノを作ろうとしている。

そのことを分かってあげられるのは読者と、同じくモノを作っている同士のみです。

こんなに苦しくて、結果を見るたびに落ち込んで、それでも、それでも作り続けなければならない。
だって明日を作るのは、自分自身なのだから。

アニメ版「妹さえいればいい。」について


制作は「バカとテストと召喚獣」や「のうりん」など多くのライトノベル原作作品を手掛けているsilver LINK.が担当しています。

本アニメの魅力を語る上で僕が何よりも推したいのが「オープニング曲」と「エンディング曲」です。

OP曲のほうはChouchoさんの「明日の君さえいればいい」なのですが、物凄く熱い。

主人公「羽島伊月」を主題に歌われる”創作への苦悩”や”それでも走らなければならない苦しみ”はメロディに乗って心を昂らせにやって来ます。

あんなにも苦しむ姿を見せられては筆を取らぬ方が恥に感じるくらい刺さる素敵な曲です。

ED曲は結城アイラさんの「どんな星空よりも、どんな思い出よりも」です。

聴いたことない方は今すぐこの記事を閉じて聴きに行ってください。

こちらは反対に、妹さえに登場する「可児那由多」を歌った曲なのですが、アコースティックギターの音色に乗って流れてくるほろ苦い恋の歌はまさに名曲を呈するのに相応しい一曲になっています。

どちらもアニメ史に残るほどの名曲であり、僕もよく創作する前に聴いては自分の心を昂らせていました。

本当におすすめなのでまだ未聴の人は今すぐ聴きにいくのをおすすめします。

もし本書が気に入ったら

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どの巻を取っても安定したコメディが待ち受けていますので、「面白い話が読みたい!」という人には是非おすすめしたい一冊になっています!

まとめ

ということでいかがだったでしょうか!

創作の苦悩を描いた小説には毎度のことながら泣かされ、その度に「物語を作ることは何て楽しいことなんだ」と気付かされる日々です。

がむしゃらに、ただひたむきに走っている僕らだからこそ一度手を止めて、愛している物語に再び走る元気を貰うのもたまには必要だと思います。

きっと貴方の書いている物語、読んでいる物語にも何かしらの意味があって、きっと誰かの心を救っているのだと思います。

「妹さえいればいい。」を読み返すたび、僕はそう感じるのです。

気に入って頂けたら是非手に取って頂けると嬉しいです。
最後まで読んで下さりありがとうございました!

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