こんにちは。文章を書くのが好きな一般人、うつがや(@utugaya)です。
皆さんは同人誌即売会に参加したことはありますか?
同人誌即売会で有名なのがニュースで良く聞く「コミックマーケット」や、Twitterを良く見ていると一度は聞いたことがある「コミティア」ですが、僕はどれも不参加で今までの人生を生きてきました。
でも最近思ったんです。
「オタクとして生を受けたのに、同人誌即売会に一度も行ったことがないのはいいのだろうか?」
SNSで良くみる「参戦してきた!」と言う言葉に憧れはあるものの、人混みの激しさや独自の用語などで参戦しにくい雰囲気が僕の中ではありました。
と言うことで今回は、前日のノリと勢いだけで「文学フリマ東京」に参戦してきましたのでそのレポートをお送りしたいと思います!
「文学フリマって何?」という初心者から実際参加してみての感想、そしてどれくらい楽しめたかまでを書きたいと思いますので是非最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
それは行ってみましょー!
そもそも文学フリマって何?
文学フリマは、作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、文学作品展示即売会です。
小説・短歌・俳句・詩・評論・エッセイ・ZINEなど、さまざまなジャンルの文学が集まります。
同人誌・商業誌、プロ・アマチュア、営利・非営利を問わず、個人・団体・会社等も問わず、文芸サークル、短歌会、句会、同人なども出店しています。参加者の年代は10代〜90代まで様々です。現在、九州〜北海道までの全国7箇所で、年合計8回開催しています。
文学フリマ
「文学フリマ」とは、いわゆるコミケみたいな「出店者が自ら作った作品を自ら手売りするフリーマーケット形式のイベント」です!
「名前聞いたこと無い!」という方も居るとは存じますが文学フリマの歴史は古く、初開催は2002年11月3日まで遡ります。
その当時、「純文学論争」という、「純文学という文化の価値」について小説家や文化人が互いに議論し合う論争が巻き起こっていました。
その論争のなかで、大塚英志が既得権と化した文芸誌のなかでの閉鎖な営みによって「文学」が秘儀化されようとしている現実を批判します。
そこに例を挙げたのが「コミックマーケット」でした。
一部の人々が「文学の自由」「創作の解放」を謳い、「文学だけのコミックマーケット」を望んだ結果立ち上がったのがこの「文学フリマ」と言うわけです。
そこから21年。年に数回開催されている文学フリマは創作が現実に浸透したことがきっかけで年々出店数・参加人数を増やし、今年は一日の開催なのに1万人超の人々が訪れるイベントにまで成長しました。
「文学フリマ東京36」の概要
さて、そんな歴史をもつ文学フリマですが、運営形態が中々に複雑です。
運営自体は「一般社団法人文学フリマ事務局」が行っているのですが、各イベント事の運営はその地域に根付いた事務局が行っており、「一般社団法人文学フリマ事務局」は文学フリマ自体のインフラ整備や運営知識の収集のために存在しています。
そんな中、今回僕が参加してきたのは文学フリマ東京事務局が運営している「文学フリマ東京36」です!
会場は港区にある東京流通センター。文フリ初の2会場開催となっており、来場者数も前回より大幅に増えることが示唆されていました。
事前に準備した持ち物について
さて、次はいよいよ文フリに参加するため僕がやった準備の話になります。
初のイベント参加&飛び込みと言うこともあり、何を準備すればいいか、何が必要なのか、どうすればいいのか。分からないだらけでしたが、ここで文フリ運営さんの優しさが現れます。
文学フリマ公式サイトに「参加についてのマニュアル」と言う記事が用意されておりまして、右も左も分からない僕からすれば本当に助かりました!!
特に支払いに準備する「小銭」の話はなんとなくSNSで聞いていたはものの大キャッシュレス時代の現代ではなかなか意識の外にあり、この記事のおかげで忘れることなく準備することができました!
神運営すぎる…!!!!!!
実際のルートから会場まで
荷物の準備も終わり、興奮から目が冴え切っている中就寝し、いよいよ文フリ東京36当日です。
今回の会場がある「東京流通センター」は港区にあり、会場までは「東京モノレール」という電車に乗車します。
僕は山手線経由で東京モノレールに乗り換えたのですが、乗り換え自体は駅構内にたくさんの案内表があるためそれを目印にいけば迷うことはありませんでした。
そして何より、会場に向かうまでで一番面白かったのが、東京モノレールのホームに着いた時でした。
「東京流通センター駅」は快速電車が止まらないです!」と前日に文フリ公式がTwitterにてアナウンスしていたため一本見送り普通電車の到着を待っていたのですが、周りはほぼと言っていいほど文フリの参加者らしき人々で溢れていました。
戦利品をしまうためのキャリーケースを引いたガチ勢から、僕と同じく気軽に参加するであろう人々の「何買う?」と言う会話に至るまで、「ここが会場か?」と思うほどの熱気に溢れていました。
また、マナーもよくホームに人が押しかけるなんてこともなく綺麗に線に沿って電車の到着を皆さん各々待っており、「これが雑踏事故の起きない創作系イベント参加者の質の高さか……!」ととても驚いた記憶があります。
モノレールが目の前に到着しアナウンスに従い奥の方から乗車したのですが、モノレール自体も面白く、大きな窓から見える大井競馬場の風景はウマ娘好きの僕の血を滾らせ、それだけで結構満足感がありました。
そして「東京流通センター駅」で下車すると、いよいよ目の前にTRCのビルが見えてきます。
なんと会場から駅は徒歩1分と、駅舎から出ると目の前に会場が広がっています。
「文学フリマ36」の看板もお目見えし、いよいよ人生初の同人誌即売会がやってきたのを感じ期待と興奮で溢れていました。
会場着いてから開場まで
僕の事前知識であったのは「今回の文フリは2会場あるらしい」というところまでで、どっちに行けばいいのかなどは結局考えず、なんとなくで参加しました。
TRCに着いてからはボランティアで声掛けをしてくれているスタッフの指示に従い会場ごとの待機列に並ぶのですが、僕は迷った挙句第一会場の方に並ぶことにし、静かにその時を待ちました。
開場10分前になるとスタッフの方から「列を移動します」の声かけがあり、僕は列について中に入ることに。
開場30分前に着いていたのに後続には大勢の人が並んでおり、参加者の多さが窺えます。
ビルの中に入り会場前まで行ったのですが、びっくりすることに中にも列はできており、僕らは二つ目の待機列であったことを知りました。
「今回も楽しい会場にしていきましょう! それでは、よろしくお願いします!」
会場内から運営の方のアナウンスが聞こえ、いよいよ開場の時です。
「これは欲しいものが気軽に買える感じじゃないかもしれんぞ」と唾を飲み緊張していましたが、いざ列が動くと思ったよりも並んでいた人々は散り散りに会場の各サークルへと散っていきました。
会場の周り方について
僕は同人誌即売会について、「会場内の周り方とかもルールがあるんだろうなー」と思っていました。
人の混雑を避けるためとか、潤滑な会場運営を図る為そういうマナーが求められているのだろうと勝手な憶測を飛ばしていたのです。
でもいざ開場してみると、そこはまさにフリーダムでした。
列になって置かれているサークルをぐるぐるまわり、気になった本があったらサークルの人に「見本読んでいいですか?」と一言声をかけてから少し読んでみて、気になったら購入するだけです。
何周も何周も同じところをうろうろするもよし、サクサク回るもよし、何しても怒られる事もなく、自由に会場内を回ることができました。
一般参加者の反省点
さて、ここからは参加後に気がついた反省点について書いていこうと思います。
それはなんと言っても、事前情報が0だったこと。
今回は本当に何も調べず行ったので、どう言うサークルが参加しているか〜なんて情報は当然手元にありませんでした。
ただ所々にできているサークルに並んでいるであろう列は見ていて「そんなに有名な人なのか?」とか「何売ってるんだろう」とか興味で溢れていました。
帰って調べてみると、意外にもこの文学フリマ、プロの作家さんの参加も多く、今回は「恋に至る病」の斜線堂有記さんや「みんな蛍を殺したかった」の木爾チレンさんなど作家の方が大勢いらっしゃったらしく、本人にお会い出来るどころか本人からサインを書いていただけたことを後に知りました。
「なるほど、あの列はそう言う列だったのかー」と思ったと同時に「僕はなぜあそこで並ばなかったのか!」と後悔が襲ってきました。
なので是非皆さんは参加する前にTwitterで「#文学フリマ」などで調べてから行くと有名作家さんなどのサークルを知ることができるかもしれません。
僕は絶対次回は調べてから行きます!
事前準備、大切!!!!!
また、今回は購入品をしまうためにリュックサックで参加したのですが、もしかしたらリュックサックすら要らないかも知れません。
会場の入場口にてノベルピアさんが参加者にトートバックを配っており、参加者の方も多くはこのトートバッグに購入品をしまっているようでした。
もしかして……手ぶら参加も出来る!?!?!?
ここまで参加者に優しいイベントだとはつゆ知らず、思わず文学フリマが好きになってしまいました。
末永く続いてくれー!!!
ここがすごいぞ文学フリマ
会場を一通り回って「凄!」と思ったことが一つあったので追記したいと思います。
この文学フリマ、なんと会場内でお弁当や飲み物の販売をしています。
今回の文フリではカレー屋さんが本格的なカレー弁当を売っており、会場の端で食べている人を結構見かけました。
こう言うイベントは食事禁止なイメージがあり、「え? そんなラフでいいの?」ととても驚いた思い出です。
しかも漂ってくるスパイスの芳醇な香りと言ったら、もう本当に、お腹が空いて空いて仕方がなかったです!!!
なので参加する方は是非一度会場内でお弁当を食べてみる体験をしてみてもいいかもしれません。
文学の片端にカレー、なんだか物語が始まりそうでとても面白かったです。
参戦してみての感想
今まで項目に分けて文学フリマを紹介してきましたが、「実際参加してみてどうだったのか」の感想を書きたいと思います。
今回、事前知識0の状態で飛び込み参加してみてどうだったのか。
僕自身、めちゃくちゃ楽しかったです!
サークル各所からは「文章書くのが好きだ!」という愛をひしひしと感じ、作品のクオリティも本屋で見かける本くらいのデザインや製本がなされたものがしっかりとあり、じっくりと作品を見ているだけでもとてもワクワクしました!
「本の装丁には特段のこだわりがある」と言うのが感じられる本ばかりが並んでいて回っているだけでも楽しかったし、購入する時の「一冊ください!」という言葉から始まる会話がとても温かく、手売りの良さが感じられました。
また、文フリ自体の運営も潤滑でとても気持ちが良いものでした。
特に思い出に残っているのが前述した開場する時のアナウンスで、会場から聞こえてくる「楽しみましょう!」という運営の方の声とそれに乗った出品者さんの拍手がとても印象に残っています。
「次はサークルで参加してみたい」とまで思わせられた、愛のあるイベントでした!
まとめ
と言うことで今回は文学フリマに参加してみてどうだったのかのレポートをお送りしました!
同人誌即売会初参加の僕でしたが、参加のハードルを下げられるような緩さと楽しさがあり、是非初心者の方におすすめしたい、そんなイベントでした。
次回「文学フリマ東京」は11月に同じ会場である東京流通センタで予定されており、僕も参戦予定です。
この記事が面白いと思ったあなたも、是非参加してみてはいかがですか?
ここには文学の愛と交流がありますよ。
最後まで読んで下さりありがとうございました!